●死体の晩餐

asakoo2005-03-31

動物が大好きな友達に、とてもいい本を教えてもらいました。その本と紹介の文を少し引用しながら私の思いも書き留めておこっと。

捨てられる猫たち

いじめられて傷つけられて、それでも必死に生きてる野良猫が大勢います。

名前を呼ばれたこともなく、誰にも存在すら知られず、保健所でゴミのように殺される子たちも、年間に何十万匹といます。そんな子たちにせめて何かをしてあげたくて、必死で救助活動している人間も、います。

キリがない、と感じたことはありませんか?いくら助けても、あとからあとから野良猫はわいてきます。
みんな緊急です。みんな今すぐの助けを求めてます。

だけどわたしたちには体も時間もひとつしかなく、全員をすぐに助けてあげることはできません。

もっと抜本的な解決策が必要だ、と感じたことはないですか?たとえば野良猫をいじめたら巨額の罰金がかかるような国になったらいいなぁ、なんて夢想することはないですか?


この本は、そんな感覚を、理論で肯定する本です。

ロサンゼルスでは、捨てられる犬猫の数は日本と大差ありません。なのに保健所で殺される数は、日本の10%以下です。

しっかりした法律があり、国や民間のシェルターが完備され、ボランティアの人々が気持ちよく働ける環境があるからです。行政が救助システムを作っています。

犬猫を飼いたい人はペットショップでなくシェルターへ行きます。シェルターの存在をみんなが知っているので、企業も活動資金を出してくれます。誰でも気軽に空き時間を利用して、ボランティアに参加できます。



ドイツでは、憲法で動物の権利をうたっています。動物の生きる権利、動物が苦しまない権利が、憲法で保証されています。憲法に動物権利がうたわれている国は、世界中でドイツだけです。

ドイツ人は動物保護や動物権利について、十分な意識をもっています。そのため既にたくさんのドイツ人は菜食主義者となっていますが、若い世代ほど、この割合が高くなっています。



日本でも、おそらくはみんな、本当は知っているんだと思います。あなたの食卓で刻まれている食肉が、もとは生きている牛や豚だったこと。あなたの膝で丸くなっている猫と同じ、柔らかで優しい、命だったこと。

なのにその牛も豚も、生まれたときから母親からも引き離され、風を感じたことなど一度もなく、工場のベルトコンベアに乗せられ、お金がかかるという理由でろくに麻酔も打たれず、殴られ、殺されるのを察知しイヤだともがき、悲鳴をあげ、生きたまま解体され、地獄を味わってきたこと。



もとはドイツも、日本のような状態でした。そこへこの本が現れ、そしてベストセラーとなりました。現在では古典的な意義をもっています。この本により動物にも人間とおなじ権利を与えるべきだという運動が高まり、ついには憲法までもが変わりました。

1999年、ドイツの動物倫理団体はドイツの全ての国会議員に「死体の晩餐」をクリスマスプレゼントとして渡したそうです。そしてそのことが、動物が憲法に入ることのきかけとなりました。

日本の議員たちに渡したらどうなるでしょうか。



「死体の晩餐」は、動物のための活動の、バイブルになる本です。菜食主義と動物の権利運動を、やさしく物語っています。虐待や捨て子をする人たちへ、理論武装して立ち向かえるようになります。この日本語版の出版によって、日本でも動物倫理への問題意識が高まっていったら、と思います。できるだけ多くの人に読んでもらいたいです。



あなたは、答えられますか?遊びで猫をいじめて喜ぶ人間たちへ、なぜ猫をいじめてはいけないか、説明できますか?
「たかが猫だろ」
なんて言われて、悔しい思いをしたこと、ないですか?



地球は人間だけのものではありません。便利なら、美味しいなら、自分さえよければ、という意識が地球をここまで破壊しました。


私たちはこのままでいいのでしょうか。一度にすべてを変えることはできません。でも、まずは隣で苦しんでいる動物たちのことを考えてみませんか。
生きることすら許されない動物たちへ、せめて、命を返してあげませんか。